Mowton |
2002年 05月13日更新 | ▼この1週間のトピックスをお伝えする「Mowton Headline」
・スパークリングワイン用の新種のブドウ
・ストレス飲酒は遺伝子が関係か
・LCDがオープンサンド化
・古細菌の表面で暮らすナノサイズ古細菌
・クローン動物すべてに異常
▼最新の学術雑誌から話題をご紹介する「Mowton Article」
心臓にも肝臓にもリズムがある
私達の身体は調和のとれた動きをしているように見えますが、実は、それぞれの臓器は自分勝手なペースで行動していることがわかりました。私たちの脳には中心的な役割を果たす概日時計があり、その活動は24時間サイクルになっています。そして私たちの体内の臓器にも独自にリセットが可能な時計があって、この時計は、物質代謝、消化や血圧のような定期的な活動を調整していることがわかりました。
脳の時計はあたかもメトロノームのように正確なリズムを刻み、臓器はそのリズムにあわせて独自の時計に従って行動しているというわけです。脳のリズムがどういう仕組みで臓器に伝えられるのかについてはまだ解明されていません。 | | |
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2002年 05月06日更新 | ▼この1週間のトピックスをお伝えする「Mowton Headline」
・ソーラーセイルで金星へ
・宇宙電波観測世界一の感度
・胎盤持つ最古のほ乳類
・アマゾン川には二酸化炭素がいっぱい
・地磁気反転の兆し
▼最新の学術雑誌から話題をご紹介する「Mowton Article」
アルツハイマー病発症解明
アルツハイマー病患者の脳内にはベータアミロイドというタンパク質が蓄積していることがこれまで知られていましたが、このタンパク質とアルツハイマー病の明確な関連は解明されていませんでした。今回、東京大学のチームがマウスの脳細胞を培養する実験において、ベータアミロイドを培養系に加えた場合と加えなかった場合を比較し、ベータアミロイドが重要な神経伝達物質であるグルタミン酸を横取りする作用があることがわかりました。
実際にグルタミン酸を横取りするのはグリア細胞と呼ばれる細胞で、通常は脳内で余ったグルタミン酸を回収する仕事を担っており、神経の働きを助けているのですが、ベータアミロイドが存在すると、グルタミン酸を異常に大量に回収してしまい、本来脳内での情報伝達に使われるべきグルタミン酸まで減らしてしまうことがわかったものです。
これが記憶障害に結びつくと考えられ、今後の新薬開発への応用が期待されます。 | | |
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2002年 04月29日更新 | ▼この1週間のトピックスをお伝えする「Mowton Headline」
・喫煙で男児出生減る
・宇宙鉄道試運転に成功
・111法則
・バイオジーンズ
・黄砂 アメリカ西海岸まで到達
▼最新の学術雑誌から話題をご紹介する「Mowton Article」
イネゲノムの解読が完了
世界の人口の3分の2にとって重要な植物である稲のゲノムが解読されました。今回は、中国のグループによってインディカ種が、アメリカの企業によってジャポニカ種がそれぞれ全ゲノムショットガン方によって解読され、現在、公的資金で運営されている国際プロジェクトでは2004年をめどに、ゲノムを配列順に解読する方法によって完全な遺伝子地図の作成が行われています。
この成果は乾燥に強い、塩水に耐える、病害虫に抵抗性がある、高い収穫量が見込まれる、ビタミン含量が高いといった形質を備えた品種を作り出すために活用され、食料が不足している地域の人々を救うことが期待されています。 | | |
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2002年 04月22日更新 | ■この1週間のトピックスをお伝えする「Mowton Headline」
・クローン人間妊娠と発表
・カメルーンで市販されているサルの肉の5分の1以上がSIVで汚染されていることが明らかに
・クオークで構成する恒星をNASAが発見
・小惑星、2880年に地球最接近 衝突の恐れも
・ゆで卵の逆説ついに解明
■最新の学術雑誌から話題をご紹介する「Mowton Article」
「損」に反応する脳領域を発見
脳の領域「内側前頭皮質」が損をしたという情報を、脳が感情面および理性面から処理する前の段階で分析しているらしいということが明らかになりました。この領域は、一般的に「損失の検出器」として働くようですが、反応の程度は、損失の量とは関係が無く、ある行為が最善の選択だったとしても、結果として損をしていれば反応し、また、お金を獲得したときは反応しないことも確かめられました。 | | |
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2002年 04月08日更新 | ■この1週間のトピックスをお伝えする「Mowton Headline」
・トガリネズミの毒解明 麻酔薬に応用の期待も
・ヒトES細胞作成を初承認
・有機材料で「光演算」
・ブラックホールはわれわれの周辺にも存在
・近視原因は精製でんぷん?
■最新の学術雑誌から話題をご紹介する「Mowton Article」
禁煙が1時間しか続かない理由
タバコをやめようと決心した喫煙者は、最後にタバコを吸ってから約1時間後に最初の苦しみを感じることが多い。研究者たちは今回、この現象を起こす脳の回路を発見した。肺いっぱいに煙を吸い込むと、脳細胞がニコチン漬けになり、「報酬」となる化学物質ドーパミンが放出される。シカゴ大学のDaniel McGeheeらは、ドーパミンの放出を調節する別の脳回路にニコチンが影響することを見つけた。その回路はニコチンが与えられると約1時間、オフになる。この回路は通常は、脳細胞のドーパミンの放出を抑えている。 この回路が回復するとドーパミンの濃度が下がるため、喫煙者は新たなタバコに手を伸ばすのかもしれない。この回路の回復を抑える化学物質ができれば、タバコが欲しくてたまらない気持ちや、喫煙による心地よさを抑えることができるかもしれないと推測される。 | | |
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2002年 04月01日更新 | ▼カエルの目玉が試験管の中でできた
カエルの胚 から取った未分化な細胞を試験管内で眼球に育て、目を摘出したオタマジャクシに移植して視覚を回復させることに東京大学のグループが成功しました。試験管内で発生させた目のような感覚器官の機能が確認できたのはこれがはじめてのことで、この研究は人の失明治療の実現へ光を投げかける成果として注目されています。
▼人面岩は化学反応か?
火星の岩の影を写した映像に人の顔を見つけてしまうことがあります。しかし、それは私たちのパターン認識能力に欠陥があるせいではありません。本当に人の顔があるのです。今回、化学物質の混合物がランダムに作り出すパターンからは、すべてのアルファベットが見つかったことが2人の研究者から報告されました。 | | |
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2002年 03月25日更新 | ▼ティラノサウルスは走れなかった
さまざまな大きさの動物について、走るために最低必要な脚の筋肉の重量を推定する研究で得られた、現存する走るのが速い他の動物に関する知識からすれば、ティラノサウルスが走れたとは到底考えられないという結論が発表されました。
ティラノサウルスが狩猟をする動物だったのか、それとも腐肉などを食べる清掃動物だったのか、という点については議論が続いていますが、今回発表されたティラノサウルスは走れなかった可能性が高いことと、前腕部が貧弱だったことから、腐肉だけを食べていたという推定が有力であると考えられます。
走る際には両足が空中に浮いている瞬間があり、体重6トンのティラノサウルスであれば、体重の80%超に相当する重さの後脚の筋肉がなければ身体を完全に空中に浮かせて走ることはできず、体重の80%が足の筋肉であるなどということはありそうにない。というのも、現存する陸生脊椎動物では、この比率は最大でも約50%だからです。
▼二コレット
ニコレットはニコチン置換療法によるタバコをやめたいと望む人のための医薬品。タバコをきらいにさせる作用はなく、禁煙時のイライラ・集中困難などの症状を緩和します。
ニコチン置換療法とは、喫煙習慣をニコチン依存ととらえ、ニコチン依存を段階的に改善しながら、禁煙に導く補助的な療法で、ニコチン置換療法の基本は、ニコチンを喫煙以外の摂取法で置き換えて離脱症状を軽減しながら、その後、置換されたニコチン摂取量を徐々に減らし、最終的にニコチンの摂取量をゼロにすることです。この方法はスウェーデン海軍の潜水艦乗組員が、航海中の禁煙による離脱症状に大変苦しんでいたことがきっかけとなり、1967年にオベ・フェルノ博士により最初に考案されました。 | | |
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2002年 03月11日更新 | ▼バイリンガルの脳の働きを見る
二ヶ国語を流暢に操る人は決して複数の言語が混乱することはありません。その仕組みについては今まで不明な点が多くなぞのままでしたが、今回、バイリンガルは単語を見てもそれが言葉の意味に直結することは無く、思考の前段階で言語がふるいわけをされる、すなわち、言語を完全に切り替えるスイッチが脳の中にあることがわかりました。
▼寝すぎると早死にする
110万人のアメリカ人を対象にした大規模調査の結果、最も「死ににくい」睡眠時間は統計的には7時間であることがわかりました。従来、健康のためには8時間睡眠が良いといわれていましたが、実際には8時間睡眠を続けると、今後6年以内に何らかの理由で死亡するリスクが10%増加することがわかりました。また、3時間以下の睡眠時間では30%、10時間以上の睡眠では40%も6年以内の死亡リスクが高まることも判明しました。
さらには、不眠症自体は死亡のリスクを高めませんが、不眠症を解決するために睡眠薬を服用すると、服用の回数が増えるほどに死亡のリスクが高まることもわかりました。 | | |
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2002年 03月04日更新 | ▼サブリミナル効果を科学的に検証
アメリカで、被験者に画面上に表示された文字を見るように指示する実験が行われた。この文字の回りでは、テレビ局が放送停止中に送信する「砂嵐」のように点がランダムに動いていた。ただし、被験者には告げられていないが、これらの点の5 %が一定方向に移動おり、被験者の誰もそれには気づかなかった。
このようなサブリミナル訓練が25日間行われた後、被験者が一定方向に動く点を識別する能力が一般の人と明らかに違いがあるレベルに達しているかどうかを調べる検査が行われた。その結果、それまでのサブリミナル訓練で見せられていた移動方向を識別する能力は、通常より20 %優れていた。
▼ティーバッグのデザインと紅茶の味
多孔性のティーバッグ生地を使って、さまざまな形と大きさのティーバッグを作り、4グラムのセイロンオレンジペコを仕込んで、ティーバッグの形と紅茶の成分の進出の関係を調べる研究が行われた。
浸出率は、ティーバッグの面積が増えるにつれて上昇し、ティーバッグの面積と茶葉の質量の比率が約1:20のレベル(この実験では7センチ角のティーバッグ)を超えると、横ばいになった。またティーバッグに入れていない茶葉からの浸出率は、最大サイズのティーバッグに入った茶葉からの浸出率を上回っていた。 | | |
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2002年 02月25日更新 | ▼霊長類で始めて単為発生に成功
単為発生(たんいはっせい)とは卵を受精させることなく化学的な方法などを用いて細胞分裂の開始を行うことで、これまでマウスなどでは実験的に行われていましたが、今回、人に極めて近いサルで単為発生に成功しました。こうして得られた肝細胞は受精させて得られるES細胞よりも、狙った細胞へ分裂させることが出来る可能性が高く、ES細胞に比較して倫理的な障壁も低いことから、パーキンソン病や糖尿病などの難治性疾患の治療に活用できる日が来ることが切望されています。
▼私たちは宇宙からやってきた?
地球上の生命の起源には、原始地球の海に雷や高温などの刺激が与えられて生命が発生したという説と、生命の根源が宇宙からやってきた、という説があります。今回、地球上の生命がすべてL型アミノ酸を持っていることを中性子星から放出される右円偏光の光がアミノ酸のL型比率を高めることが地球上の実験で確認され、生命の源は宇宙からやってきた可能性が高いことが示唆されました。この研究は日本の研究者によって世界をリードして行われています。 | | |
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