ヴォイニッチの科学書 |
2005年 05月21日更新 | Chapter-67 慢性疲労症候群
普通に生活していた人に突然原因不明の倦怠感、微熱、頭痛、筋肉痛、精神神経症状などが起き、6ヶ月以上連続してあるいは断続的にこの状態が続いて健全な社会生活が送れなくなる疾患で、運動が原因ではなく休息を取っても回復しないのが特徴です。
今週はこの慢性疲労症候群についてその原因の一つといわれているウイルスとの関与を中心に紹介します。 | | |
| |
|
2005年 05月14日更新 | Chapter-66「3750年前のミイラ」
早稲田大学エジプト学研究所の調査隊は2004年12月22日から2005年1月14日にかけて、エジプト・アラブ共和国、ダハシュール北遺跡における第10次発掘調査を実施し、1月5日に未盗掘の木棺とその中に納められたミイラを発見したとのことです。
この木棺を開いてみたところ、ミイラには亜麻布を漆喰で固めたマスクがかぶせてあり、その上から全身を真っ白な亜麻布でつつんであったのだそうです。この亜麻布はまだすべてはがされておらず、ミイラの状態なども一切わからない状態で今後の研究が待たれます。
今週は古代エジプトの歴史を簡単に紹介し、この未盗掘の墓から発見された遺物について紹介します。 | | |
| |
|
2005年 05月07日更新 | Chapter-65「炭酸飲料好きも遺伝子が決める」
味覚の受容体はタンパク質でできていますので、当然その働きは遺伝子によって支配されています。従って、その遺伝子の変化は私たちの味に対する感度に影響を及ぼしています。今回、Monell Chemical Senses Centerの研究者らが味覚と遺伝子の関係について研究を行いました。 | | |
| |
|
2005年 04月30日更新 | Chapter-64 英語文法中枢
脳科学の進歩に伴い、人間の脳の活動を画像として捉える機能イメージングの手法を用いて、心のさまざまな機能の座が、脳のどこにあるかを調べられるようになってきました。しかし、言語などの高次機能の脳における発達メカニズムはまだほとんどわかっていないため、今回、研究者らは第二言語である英語の熟達度に注目して、英語の文法知識がどのようにして定着するのかという謎を脳の機能の観点から解決しようとしたものです。 | | |
| |
|
2005年 04月23日更新 | Chapter-63「シリーズ今週の人工衛星・ジェームズウェブ宇宙望遠鏡」
地球から遠く離れた天体を観測する際に、地上の望遠鏡では大気によって赤外線が吸収されたり、映像が揺れたりするために良好な観測ができません。そこで、宇宙空間に望遠鏡を打ち上げて遙か彼方の天体を観測し、宇宙の起源に迫ろうというプロジェクトが進行中で、その中心となるのがジェームスウエブ宇宙望遠鏡 (JWST) です。
JWSTは軌道上での消耗品なども含めると6.2トンもの重さがあり、直径が6.5メートルの巨大な反射鏡とテニスコートほどもある日よけが搭載されています。JWSTは宇宙の遙か彼方から届くかすかな赤外線を検出しなければなりませんので、太陽や月、地球などが放射する赤外線を防ぐためにこのように巨大な日よけがついています。これらを折りたたんだ状態で打ち上げ、地上から150万キロメートル離れたL2リサジュ軌道と呼ばれる軌道上で展開するようになっています。L2リサジュ軌道というのはHSTの軌道よりもはるかに高い高度の太陽と地球の引力のバランスがとれている軌道で、この軌道では衛星は非常に安定するのでHSTよりも軌道の維持、姿勢の制御が容易になると同時に、巨大な赤外線源である地球からも離れるため微弱な赤外線を観測しやすくなります。 | | |
| |
|
2005年 04月16日更新 | Chapter-62 「ヒトの脳の進化は特別な出来事だった」
ヒトの進化は脳の大きさと複雑さの劇的な増加によって特徴づけられます。
ラットもサルも同じほ乳類で8000万年前までさかのぼればいずれも共通の祖先を持っているのですが、その後の8000万年の間にラット、サル、ヒトはそれぞれ違った進化の道を歩みヒトだけが大きくて複雑な脳を手に入れました。同じ時間をかけて進化したにもかかわらず、脳にこれほどの違いがあるのはなぜなのでしょうか。 | | |
| |
|
2005年 04月09日更新 | Chapter-61「延命薬はできるのか」
生き物の寿命についてはテロメアと呼ばれる染色体の末端部分の繰り返し配列がいのちの回数券の役割を担っていて、細胞が分裂するたびにこの命の回数券が1枚ずつ減っていき、すべて使い尽くされたときにその細胞は死んでしまうということが1930年代から続く研究によってわかっています。
このように遺伝子レベルでは寿命と遺伝子の関係について様々な研究成果が出ていますが、薬のように飲むことによって寿命を延ばす物質はほとんどみつかっていませんでした。
今回アメリカの研究者らは既存の医薬品についてその延命効果を調べた結果ある種の医薬品においては線虫の延命効果を示すことがわかりました。 | | |
| |
|
2005年 04月02日更新 | Chapter60 天気が悪いと腰が痛い・・・は本当?
慢性の関節リウマチや偏頭痛、腰痛症などの患者さんは雨が降り出しそうな天気の日には悪い場所が普段より痛むと感じることが多いようです。天気が悪くなると身体のあちこちが痛くなる。これは本当なのでしょうか、というのが今週のお話しです。 | | |
| |
|
2005年 03月26日更新 | Chapter59 「宇宙ラーメン」
NASAのスペースシャトルが今年の5月から飛行を再開することが決まっています。コロンビアの空中爆発事故以来2年3ヶ月ぶりの飛行で、今回は31回目の飛行となるディスカバリーが使われ、事故再発防止のために組み込まれた機能のテストと国際宇宙ステーションへの物資の輸送が主な任務となっています。今回の飛行にはJAXA所属の宇宙飛行士野口聡一さんが乗り組み、船外活動を行うことになっていますが、日本人の搭乗と共に興味を引くのが今回のフライトではインスタントラーメンが宇宙食の一つとして採用されていることです。 | | |
| |
|
2005年 03月12日更新 | Chapter-58 最新天文ニュース
・H-IIA ロケット7号機によって運輸多目的衛星新1号機が打ち上げられ「ひまわり6号」と名付けられました。現在ニューギニア上空を秒速 3kmで飛行中です。
・「すばる」が誕生後わずか 1万〜10万年しか経過していない輝く前の恒星の観測に成功しました。
・国立天文台などの研究グループはこれまでで最も遠い約127億光年のかなたにある銀河の集団「銀河団」を発見したと発表しました。
・ハワイのケック望遠鏡が中心核を二つ持つ銀河を発見しました。この銀河は50億光年かなたにありますが、中心角が二つあることから最近銀河同士の合体があったと考えられます。
・X線天文学の分野では日本は世界のリーダーで、これまで4機のX線天文衛星を打ち上げ多くの実績をあげてきましたが、現在、5機目のX線天文衛星ASTRO-EIIが今年の夏の打ち上げを目指して準備が進められています。 | | |
| |
|
>>次へ |