ヴォイニッチの科学書 |
2005年 12月17日更新 | Chapter-88 惑星探査機パイオニアが謎の減速
http://obio.c-studio.net/science/088.htm
惑星探査機パイオニアの飛行速度が謎の力によって遅くなっていることがわかりました。
パイオニアは1972年10月に打ち上げられた10号と、1973年に打ち上げられた11号がすでに冥王星の軌道の外へ飛び出し現在も太陽系とその外側の宇宙空間の観測を続けながら時速約4万キロで飛行を続けていますが、アメリカジェット推進研究所の天文学者が最近、探査機からのデータを1980年代までさかのぼって調べたところ、10号、11号いずれも飛行速度が次第に低下し、現在は当初予定されていた年間飛行距離よりも実際に飛行できる距離が1万3000キロも短くなっていることを発見しました。 | | |
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2005年 12月03日更新 | Chapter-87 毎月最終週は「サイエンスニュースフラッシュ」
・ESA の金星探査機「ビーナスエクスプレス」打ち上げ成功
・目に移植して角膜の機能を補う2.2倍テレスコープ
・故人の DNAを木に組み込んで生きた墓標に
・さわやかな目覚めのメカニズム解明
・始祖鳥の足の親指はどっち向き?
・予算について | | |
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2005年 11月19日更新 | Chapter-86 学ぶほど頭が良くなる仕組みがわかった
学ぶことで頭をよく使えば学習能力が高まることは経験的に理解できます、そのメカニズムはよくわかっていませんでした。
東京大学大学院の研究チームは脳波の一種であるシータ波が脳内で記憶を司る海馬と呼ばれる部位に到達すると神経細胞が増えることを明らかにしました。同時に神経細胞に分化する前の前駆細胞にもシナプスが存在することが初めて明らかになりました。
その他の話題
・ミネルバが行方不明
・求愛の相手の性も遺伝子が決めていた
・新採用の研究者 25%を女性に
・燃料電池内蔵携帯音楽プレーヤー
・雑誌「サイエンスウェブ」創刊 | | |
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2005年 11月12日更新 | Chapter-85 免疫に関する新発見
・小惑星探査機「はやぶさ」最新情報
・宇宙で一番最初の天体からの光
・宇宙空間にメッセージ
・COCORO METER
免疫に関する新発見
免疫機能の開始を司っているのはこれまで考えられていた免疫シナプスの中心ではなく、抗原提示細胞とT細胞が接着した境界面に泡のようにわき出てくる「ミクロクラスター」とよばれるこれまで発見されていなかった微細な構造が鍵を握っていることがわかりました。また「ミクロクラスター」は免疫機能を維持する役割も併せ持っていることがあわせて発見されました。 | | |
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2005年 11月05日更新 | Chapter-84「第二次ロボットブーム」
○オープニングトーク
・小惑星探査機「はやぶさ」最新情報
・1000万年前の類人猿の化石発見
・親知らずから間葉系幹細胞
○今週の特集
「第二次ロボットブーム」
ロボットは「すごい!おもしろい!」の時代から「どんな風に私たちの生活入ってくるのかな?」の時代へ。エンジニアはロボットの居場所を模索中〜それは万年筆のように身近な存在なのか、ネコのようにちょっと離れた存在なのか? ヒューマノイド商用実用化はまずマネキンから。
○今週の科学な新製品
・放牧牛用GPS
○エンディング
他局の科学情報番組紹介 | | |
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2005年 10月29日更新 | Chapter-83
一ヶ月間の科学的ニュースを振り返るサイエンスニュースフラッシュ
・半草半獣の新種微生物発見
・受精卵を壊さずにES細胞を作ることに成功
・暴力的ゲームは人間の脳を好戦的にする
・人工タンパク質
・マンモスを絶滅に追いやったのは超新星爆発だった
今週の科学な新製品
・飲む毛生え薬
エンディング〜毎月月末は翌月の天体イベント紹介
・11月末にかけて牡牛座流星群 南群極大は3日11時、北群極大は12日18時
・5日から25日は獅子座流星群 極大は17日23時
・母星回帰から7年経過して活動レベル低下 しかも満月付近
・水星と金星が東方最大離角 4日
・小惑星(1862)アポロが地球に最接近 1100万キロ 6日 19:15
・月が地球に最接近 10日 9時 37万0015キロ
・満月は16日
・20時前後、頭の真上にアンドロメダ銀河 | | |
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2005年 10月15日更新 | Chapter-81 ノーベル化学賞
2005年ノーベル化学賞は「有機合成におけるメタセシス反応の開発」に携わった3人の研究者に授けられました。
メタセシス反応は有機化合物の位置が交換される反応です。有機化合物の多くは炭素炭素二重結合を持っています。通常はこの二重結合は安定ですので、二重結合の左右を置き換えるような反応は非常に難しいものです。ところが、ある種の触媒を使用すると、この二重結合が一気に離れて、別の二重結合と片割れと再び二重結合を作る平衡反応が起きることがわかりました。有効な触媒が考え出されるまでは、何段階ものステップを踏んで結合を切り離したり、意図しない反応が起きないように保護をしたりしながら同様の反応を行わなければならなかったものが、ワンステップで反応を進めることが出来るようになり、効率が非常に向上し、無駄な原料を使用する必要や反応を進行させるために加熱する必要などが無くなったので環境負荷の低減にもなりましたし、これまで人工的に作ることのできなかった複雑な分子を合成することもできるようになりました。 | | |
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2005年 10月08日更新 | Chapter-81
2005年ノーベル医学生理学賞とヘリコバクターピロリ
2005年ノーベル医学生理学賞が西オーストラリア大学のバリー・マーシャル教授とロビン・ウォーレン名誉教授に授与されることが発表されました。対象となった研究は胃潰瘍の原因微生物であるヘリコバクターピロリの発見とその後の研究です。 | | |
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2005年 10月01日更新 | Chapter-80 ロボットスーツHAL
人間の出せない能力をサポートする「モビルスーツ」か
愛・地球博に医療・福祉ロボットスーツHALが出展されました。これは流行の自律型のロボットではなく人間と機械が一体となって人間の能力、特に腕力や持久力を強化する世界初の「魔法の機械」とも言うべきものです。HALを装着する人は手足の関節の要所要所にシール状のセンサーを貼り付けます。これがHALのコンピューターにつながっており、手足を動かそうとするときに身体から出る微弱な電流を測定し、その情報をデータベースと照らし合わせて装着者がこれからどのような身体の動きをしようとしているのかを予測し支援します。
HALには、このような人間が思い通りの行動を支援する「随意的制御機構」の他に、ロボット自らが動作する「自律制御機構」つまり、装着した人が自ら身体を動かそうとしなくても、あるいは動かすことができなくても人間の身体性を考慮した適応的運動パターンが生成され、ロボットとして自律的に人間のように動作を生成する機能も搭載されています。
つまり、「随意的制御機構」では人間の力を装着者の意志の通りに増強して、生身ではできないような力や持久力の必要な仕事を支援し、「自律制御機構」では疾患や事故によって失われた手足の機能をコンピューターによって作り出して補うというわけです。
柔軟な姿勢がとれ、大きな力で物を動かしたり、自分の力を一切使わずにお年寄りを抱きかかえたまま保持し続けたりといったことも可能なうえ、支援の度合いを調整することもできるため、重作業分野や災害レスキュー分野あるいは、患者や老人を抱き上げる必要のある介護・医療・福祉、リハビリのサポートやスポーツのトレーニングなど多くの分野での活用が考えられます。 | | |
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2005年 09月17日更新 | Chapter-79
アスベストの健康被害について
アスベストは耐熱性、防音性に優れた安価な材料として一九六〇年代から一九九〇年代中頃まで建築資材や電気製品の絶縁体などとして毎年二〇〜三〇万トンも輸入されていました。アスベストが健康に悪影響を及ぼす可能性はすでに一九〇〇年代中頃には知られており、肺線維症、肺ガン、中皮腫などの原因物質であると報告されていました。当初はアスベスト製品の向上や施工に携わっている労働者の職業上の疾患であると思われていたものの、最近では就業者ばかりでなく、その家族や近隣の住民までもが健康被害を受けていることがわかり重要性が再認識されています。
アスベストが原因となる最も恐ろしい疾患が中皮腫で腹膜、胸膜にできる悪性腫瘍です。アスベストは目に見えないほど小さな針状で空気中を漂っており、呼吸と共に肺に吸い込まれ、肺胞細胞に突き刺さります。マクロファージによる異物除去機能が働きますが、アスベストは安定性が高いので分解されず、逆にマクロファージの方が死んでしまいます。肺胞の細胞に刺さったアスベストが原因で腹膜、胸膜に悪性腫瘍ができるメカニズムはまだ解明されていませんが、中皮腫の原因のほとんどすべてがアスベストの吸入にあることは間違いないようです。
アスベストに暴露して発症するまで三〇年以上を要し、しかも悪性中皮腫が診断されたときには他の臓器に転移してしまっていることが多いため、外科治療も有効でない場合があり、放射線治療や化学療法が行われます。アメリカでは悪性胸膜中皮腫治療薬が承認されていますが、日本における化学療法は肺ガン治療に準じています。しかし、症例数が少ないため、効果については未知の部分が多くあり、予後不良な疾患であるというのが医療関係者共通の認識となっています。 | | |
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