ヴォイニッチの科学書 |
2006年 04月08日更新 | Chapter-104 冬眠
冬眠する哺乳類は冬眠中に体温が数度にまで下がっています。この状態において動物は細菌や発ガン物質から守られており、脳や心臓のように通常では大量の酸素やエネルギーを消費する臓器も酸素やエネルギー源をほとんど消費せずに眠っています。しかも、冬眠する動物は冬眠しない近縁種の動物に比べて数倍長生きすることもわかっています。これは、冬眠中の動物には非常に強力な体を守る作用が機能しているからだと思われます。株式会社三菱化学生命科学研究所の研究チームが冬眠に連動して変動する新たな因子をシマリスを用いた研究の過程で発見し、冬眠特異的タンパク質を略してHPと名付けました。HPは脳によって調整されている冬眠リズムによってその量が制御され、血液中から脳内に移行することによってホルモンとして働き、冬眠を司っているようです。 | | |
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2006年 04月01日更新 | Chapter-103 クロトータンパクで寿命を延ばす
アメリカテキサス大学黒尾誠助教授らの国際的な研究チームはクロトータンパクをマウスで過剰に発現させると寿命を延ばす効果があることがわかりました。
研究者らは高血圧の研究を行うにあたって、ある種の遺伝子を過剰に発現するマウスの作成を試みていました。この過程で偶然得られた突然変異マウスが動脈硬化や骨粗鬆症、肺気腫などの人間の高齢者に特有の症状を呈する老化モデルマウスだったことに気づきました。このマウスが人間の老化と同じ症状を示す原因を探った結果、これまで知られていなかったタンパク質が原因であることを解明し、ギリシア神話にちなんで「クロトー」と名付けて1997年にイギリスの科学雑誌「ネイチャー」で発表しました。 | | |
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2006年 03月25日更新 | Chapter-102 今週の最新ニュース
・アメリカ・ノースカロライナ州デューク大学の研究者らが、サルもリスク行動が好きらしい、つまり、サルもギャンブルが好きだという内容の発表を行いました。
・Science@NASA の2006年3月3日付ヘッドラインニュースによりますと木星に新しい赤斑が生まれたようです。
・内臓脂肪からの神経シグナルが食欲を調節することが発見されました。将来新しい肥満予防の方法が確立されるかもしれません。 | | |
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2006年 03月18日更新 | Chapter-101
・南極点でニュートリノ観測
・アメリカ小児科学会などによる研究チームが青年期の睡眠不足がどのような悪影響を生み出すかに関する報告書
・燃える氷 | | |
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2006年 03月11日更新 | Chapter100 はやぶさ最新情報・プルサーマルってどんなもの
通信が途絶していた日本の小惑星探査機「はやぶさ」の現在の状況が大まかに把握できました。現在位置はイトカワから1万3000キロメートル離れた位置をイトカワに対して相対速度毎秒3メートルで飛行中です。
九州電力が玄海原子力発電所3号機で2010年度までを目処にプルサーマルを実施する方針を決定しました。また、四国電力が、愛媛県の伊方原子力発電所で計画しているプルサーマルについて、国の原子力安全委員会の審査会から「安全性は確保される」とする審査結果が発表されました。その他、関西電力が福井の高浜原発で、東京電力が新潟の柏崎刈羽原発、福島の福島原発で実施するために住民との対話が続いています。 | | |
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2006年 03月04日更新 | Chapter-99 ウナギの生態
・花粉飛散経路探索プロジェクト
・兵庫県立西はりま天文台公園のなゆた望遠鏡が世界で初めて二重の円盤を持つ恒星を発見
・日本近海のホエールフォール
・ウナギの生態
ウナギは浜名湖での養殖が有名であるように淡水魚として知られていますが海で産卵・孵化をおこなう産卵回遊を行います。ウナギのように海で卵を産んで淡水で成長する生活サイクルを特に降河回遊(こうかかいゆう)といいます。ウナギの一生のうち、産卵から幼生の時代にかけてはその生態はほとんど謎に包まれていています。今回、塚本勝巳・東京大海洋研究所教授らの研究グループがニホンウナギの産卵場は、グアム島の北西約200キロの「スルガ海山」にあることを突き止め、イギリスの科学雑誌ネイチャー2006年2月23日号にbrief communicationsとして発表しました。 | | |
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2006年 02月25日更新 | Chapter 98 MTSAT-2 打ち上げ成功
国産大型ロケットの HII-A 9号機が2006年2月18日に打ち上げられました。日本が打ち上げた人工衛星の中で最も重い MTSAT-2 を予定通りの軌道に投入しました。 | | |
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2006年 02月18日更新 | Chapter-97 カーボンナノチューブの商業利用
カーボンナノチューブは当時NEC基礎研究所の飯島澄男研究員によってフラーレンの研究過程でフラーレン製造時に発生するすすの成分として1991年に発見されました。カーボンナノチューブはそれを構成する炭素六員環の配列やチューブの直径によって導体になったり半導体になったりと電気伝導率が変わるので半導体の素材として期待されています。また、チューブの中に様々な分子を取り込むことによる新たな性質が期待されます。このほか燃料電池の電極やアルミニウムの半分の軽さで鋼鉄の二〇倍の強度を持つことから長大橋や軌道エレベーターなどのワイヤーとしての使用も研究されています。また、その独特の構造から非常に微細な領域の温度を測定するカーボンナノ温度計なども作られています。 | | |
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2006年 02月11日更新 | Chapter-96 銀河系に関するすごい発見
2006年1月12日、ペンシルバニア州立大学の天文物理学者らからなるスローン・デジタル・スカイ・サーベイの研究者らは、天の川銀河にこれまで発見されていなかった巨大な星の集団が随伴していることを発見したと発表しました。 | | |
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2006年 02月04日更新 | Chapter-95 バイオマス
くりらじスタジオのある山口県でバイオマス発電所が商業運転を開始しました。バイオマス発電とは土木・建設現場で発生する抜き取った樹木、製材所や造園業、林業の場から出る端材・剪定枝などを、燃料供給会社で選別破砕することによって木質チップを作成、それを燃料にして蒸気タービンを回す新エネルギーの一種です。 | | |
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