ヴォイニッチの科学書 |
2006年 07月01日更新 | Chapter-116
・天の川銀河とアンドロメダ銀河は昔、衝突していた
私たちの住む天の川銀河と、地球から230万光年離れたアンドロメダ銀河は、今から100億年前に衝突しており、マゼラン星雲などの二つの銀河の周辺の小さな銀河はこの時の衝撃で誕生したという説が愛知教育大学沢教授、名古屋大学藤本名誉教授の共同研究グループによって提唱されました。
・植物の生物時計
生物時計とは生物の身体の中にある時間を測定する仕組みのことです。この仕組みによって生物には約24時間のサーカディアンリズムが生まれ、睡眠・覚醒、血圧・体温、ホルモン分泌といった広範な生理機能に影響を与えています。飛行機で長距離を移動した際などにすぐには現地の昼夜のリズムに体長を合わせることができず時差ぼけが生じたりします。人間以外の動物においても蚊が夕方になるとか柱を作ったり、野生の動物が夜・昼で活動のパターンを変えているのも生物時計によってコントロールされています。このメカニズムについては、日本の理化学研究所の研究成果として、時計に関わる16個の遺伝子が選び出されており、これらの遺伝子がネットワークを形成して活性化、不活性化を繰り返してリズムを生み出しているものと考えられています。 | | |
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2006年 06月24日更新 | Chapter-115 サイエンスニュースフラッシュ
コーヒーが健康に良いか悪いかは、各人の遺伝子を診断してからでなければ何とも言えないようです。
カナダトロント大学の研究チームの研究成果によると、カフェイン分解速度の違いによってコーヒーが体に与える影響は様々であるようです。コーヒーに含まれているカフェインはCYP1A2と呼ばれる酵素で分解されその効果を失いますが、CYP1A2の遺伝子のわずかな違いによって、カフェインが分解される速度が人によって異なっています。カフェインを分解するのが遅い人は1日に2杯(500cc)以上のコーヒーを飲むと心筋梗塞の危険が高まる恐れがあり、4杯以上飲むと心筋梗塞の危険度が64パーセントも上昇しました。 | | |
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2006年 06月17日更新 | Chapter-114
ヒト羊膜成分を用い、ヒトES細胞から高効率に神経細胞を産生
パーキンソン病の生化学的な原因は脳の線条体と呼ばれる箇所におけるドーパミンと呼ばれる神経伝達物質の欠乏です。この欠乏はドーパミンの供給に関わっているドーパミン神経の減少によって生じます。ヒトを含む哺乳類動物の中枢神経系のニューロンは非常に再生能力が低く、一旦損傷すると自然には回復しにくいことが知られています。したがって、今のところ、パーキンソン病は発症すると完治させることはできませんが、薬物療法や外科的治療によって症状を改善させることは可能です。薬物療法、外科的治療に続く第三の治療方法として移植・再生医療が期待されており、1980年頃から様々な検討が行われていますが、皮膚などと異なり、失われたドーパミン神経は他から持ってきて移植するということができないため、ドーパミン神経として機能する、あるいはドーパミン神経に変化する何かを移植しなければならないのですが、その「何か」の決定打が無く、一部交感神経の自家移植などが行われている以外はいまで実用化されていませんでした。 | | |
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2006年 06月10日更新 | Chapter-113 私たちはどこから来たのか
一九世紀中頃、細菌学者パスツールによって生物は自然発生しないことが示されて以来、生命誕生のしくみは大きな謎となっています。最も有力な説は化学進化説と呼ばれるもので、海中で非常に単純な構造の物質である無機物から炭素原子同士が複雑に結合した有機物が生まれ、この有機物どうしがさらに結合してより大きくて複雑な有機物が形成されたという説です。 | | |
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2006年 06月03日更新 | Chapter-112「成層圏化学気候モデルを用いたオゾンホールの回復予測」と「アスペルガー症候群」
国立環境研究所が採用したのは東京大学気候システム研究センターと共同で開発した成層圏化学気候モデルと呼ばれる数値モデルです。このモデルにフロンやハロンなどオゾン層破壊関連物質の将来の放出予測や二酸化炭素などの温室効果ガスの今後予想される濃度変動を考慮に入れて、将来のオゾン層の変化についてのシミュレーションを行い、今後オゾンホールは更に拡大するのか、オゾンホールはいつ頃回復すると期待されるかを予測しました。
アスペルガー症候群は認知・言語発達の遅れがないこと、コミュニケーションの障害がないこと、そして社会性の障害とこだわりがあることで定義されますが、コミュニケーションの障害があるものをアスペルガー症候群と呼ぶか、無いものをアスペルガー症候群と呼ぶかの違いで2種類の定義があるようですが、一般にはコミュニケーションの障害も併せ持つ症例をアスペルガー症候群と定義しています。 | | |
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2006年 05月27日更新 | Chapter-111 プリオンタンパク質に関する研究の最前線
プリオンとはタンパク質を意味するproteinと感染性を意味するinfectionを合わせた発見者でノーベル賞受賞学者のプルシナーによる造語です。プリオンタンパク質は様々な動物の体内に存在していますが、もともとの形である正常型と、タンパク質を構成するアミノ酸でできた鎖の折りたたまれ方が変化した異常型があります。異常型プリオンタンパク質は様々な病気の原因であると考えられています。それらは人ではヤコブ病、プリオン病、クールーなど、牛ではBSEと略される牛海綿状脳症、羊ではスクレイピー、その他、シカやサル、猫などでも異常型プリオンタンパクが関係していると思われる病気が見つかっていて、発症する動物種ごとに異なる名前が付いていますが、これらすべてがプリオン病で総称して伝達性スポンジ状脳症といいます。 | | |
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2006年 05月20日更新 | Chapter-100
○夫婦の仲が悪いと傷の治るのが遅い
オハイオ州立大学の研究者チームは口論を毎日30分間する夫婦はストレスの製で傷の治りが1日遅れ、仲の悪い夫婦では2倍も遅れる場合もあるという研究結果を発表しました。
○人間が三色型の色覚を持っているのは、他人の顔色をうかがうためかもしれない。 | | |
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2006年 05月13日更新 | Chapter-109 サイクリック宇宙論
独立行政法人理化学研究所が発行してる「理研ニュース」の2006年5月号に「究極の理論『超ひも理論』を完成させる」という記事が掲載されています。この中で「サイクリック宇宙論」と呼ばれる宇宙の誕生と進化はどのように行われたのかという難問へアプローチする理論が紹介されています。サイクリック宇宙論は仁科加速器研究センター川合光主任研究員、京都大学二宮正夫教授、福間将文助教授によって提案されている理論で、この理論に従えば、私たちが暮らしているこの宇宙は30〜50回目の宇宙なのだそうです。50回目の宇宙とはいったいどういう事なのでしょうか。 | | |
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2006年 05月06日更新 | Chapter108
・理化学研究所が躁鬱病のモデル動物を初めて開発
躁うつ病の発症の主な原因は、遺伝的な体質のためにセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質のやり取りが不安定になるためだと考えられていますが、はっきりとしたメカニズムはわかっていません。また、気分安定薬と呼ばれる予防薬があるものの、未だなぜこれらの薬が効果があるのかはわかっておらず、副作用があり、効果も十分でないため、発症メカニズムに基づいた新薬の開発が望まれています。
・軌道エレベーターについて復習しておこう
軌道エレベーターは地球に比較的近い宇宙空間と地球の間を行き来する交通機関として最も有力視されているものです。概念としては地表から宇宙空間にまで伸びていく非常に長いエレベーターでワイヤー状の軌道にリニアモーターのゴンドラを付け、これに貨物や人間が乗って宇宙空間に移動します。 | | |
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2006年 04月29日更新 | Chapter-107 日本の人工衛星 「あかり」と「きらり」 | | |
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