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2002年 10月07日更新 | ・アルゼンチンで2億1千年前の鳥の足跡が見つかりました。もしこれが本当に鳥ならば最古の鳥である始祖鳥よりも5500万年も時代をさかのぼる発見となります。このあしあとは鳥の足の特徴を持った小型の肉食恐竜のものである可能性もありますが、(1)鳥類に特徴的な親指がある、(2)指の開いている角度が鳥類と一致する、など鳥類の特徴を持っています。
・切り傷ができたときに皮膚の細胞が傷の方向を見分けながら増えていく仕組みが解明されました。わずか0.1mmしか大きさの無い細胞が方向の認識能力を持っていることは驚くべきことです。
・文部科学省はナノテクノロジーを使って病気となった人間の臓器を代替するセンサーや半導体を開発する「ヒューマン・ボディ・ビルディング」計画に着手することを明らかにしました。糖尿病や血圧異常、肝臓疾患などがナノテクノロジーで開発されたメカによって克服されることを目指します。
・カラスがゴミ袋をあさるときに、臭いではなく視覚によって餌の入っているゴミ袋を認識していることが明らかになりました。
・ニュートリノを観測して万物の根源を探るスーパーカミオカンデが学生ボランティアらの尽力で部分復旧しました。 | | |
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2002年 09月23日更新 | ▽脂肪の多い食事と女性の心臓病に直接的な関連があることが、16年間におよぶ研究でほぼ初めて確かめられました。女性が飽和脂肪を1週間に100グラム余分にとると、心臓病のリスクが33%以上増加したということです。冠動脈性心疾患にかかる危険性は、食事に含まれる脂肪の量と関連していると、広く信じられてきましたが、これを医学的に立証しようという研究において明確な結論は出ていませんでした。
▽米国沿岸の沖合いで、藻(も)が生きている魚を食べているかもしれない、と研究者が報告しました。この発見は、米国沿岸の魚の減少は藻の毒素が原因だという、長く信じられてきた考えと対立するものだということです。米国の東海岸では最近、魚の大規模な減少が経済問題となっていおり、原因は、「殺し屋の藻」と呼ばれるある種の藻が作る毒素だとされてきました。しかし、この化学物質はまだ見つかっておらず、さらに、ウイリアム・アンド・メアリー大学バージニア海洋科学研究所の研究によると、魚を殺す藻は、魚を毒で殺すのではなく、食べているのかもしれないというのです。 | | |
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2002年 09月16日更新 | ▽H2Aロケット打ち上げ成功おめでとう
▽ヤモリが天井を走り回ったり、磨き上げたガラスにぴったりくっついたりというすごい能力を発揮できるのは、その足裏に、先がへら状に広がった細い毛が無数に生えているからです。足裏には、ラメラと呼ばれるべたべたした畝があり、さらに畝には、剛毛と呼ばれる毛が50万本程度生えています。さらに一本の毛の先端は100から1000個に分かれて、それぞれが微小なへらの形をしています。このように細かく分かれた先端が壁や床に密着すると、ファンデルワールス力と呼ばれる弱い分子レベルの結合が数十億個形成され、ヤモリの身体を垂直な壁面に吸着させることを可能にします。 | | |
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2002年 09月02日更新 | ▽脳梗塞後も戻る記憶や学習機能
脳梗塞で神経細胞が死んだ後、神経のもととなる細胞を神経細胞に変化させ、学習機能も回復させることに、東大のグループがネズミで成功しました。神経細胞は再生しないと言われてきましたが、近年、脳に神経の元となる神経前駆細胞があることが知られ、再生力の潜在性が注目されていました。しかし、病後に機能まで回復させたのは初めての例です。
▽家族の「体臭」、他人より嫌い!!
親と子は互いの体臭を認識し、赤の他人の体臭より嫌うとの調査結果を、米デトロイトのウェイン州立大学の研究班がまとめました。研究班は「近親相姦(そうかん)を防ぐメカニズム」ではないかと推測しています。
▽野生カキ(牡蠣)から「人食い菌」
肝臓が悪い人などが感染すると、手足が急激に壊死(えし)し、手当てが遅れると数時間から数日で死亡する「人食い菌」ビブリオ・ブルニフィカスが、国内の野生のカキから見つかりました。夏は7割以上、秋は半数が陽性で、水温が低くなる冬でも2%から検出されました。専門家は「肝臓が悪い人は、夏に限らず秋冬も生の魚介類は避けた方が安全だ」と話しています。
▽ヒトの脳には不正行為を見つける専用回路がある
ヒトの脳には不正行為を見つける専用回路があり、それは人種や文化の壁を越えて普遍的なものであることがわかりました。 | | |
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2002年 08月26日更新 | 第54回
▲血栓できる難病の原因発見
血管に血の固まりができる難病が、血小板同士をつなぐたんぱく質を細かく切って固まりが大きくなり過ぎないようにする機能を担っている血液中の酵素の遺伝子の異常によって起きることが日本の研究者によって明らかにされました。
▲膵臓を作るもとになる遺伝子発見
体に膵臓(すいぞう)を作るきっかけとなる働きを持つ遺伝子が日本の研究者によって発見されました。この遺伝子を利用して人工的にインスリンを分泌できる細胞を作ることができれば糖尿病の再生治療への道が開けます。
▲人工たんぱく質
機能を持つたんぱく質である酵素を無意味なアミノ酸のつながりを「進化」させて作り出すことに成功しました。将来の工業的利用が期待されます。
▲Mowton SPECIAL「探査機ボイジャー 25歳おめでとう」
現在、太陽系の果てはどうなっているのかを調べるために宇宙空間を飛行中のボイジャー1号と2号が25歳の誕生日を迎えます。未知の異星人へのメッセージを収録したレコードを搭載したこの二つの衛星の性能やこれまでの活躍とこれからの役目について解説します。 | | |
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2002年 08月19日更新 | ▲今週のトピックス
・「すばる」が140億光年かなたの活動銀河を発見。これは宇宙誕生から約10億年後の姿です。
・カラスに針金を細工してえさを取る能力があることが確認されました。
・「満腹ホルモン」が発見されました。このホルモンは食事をした際に腸で作られ脳の視床下部に運ばれると食欲を生み出している神経を抑制するようです。
▲トラフグのゲノム解読が完了
人に次ぐ第二番目の脊椎動物の全ゲノム解読はトラフグによってなされました。トラフグは遺伝子のゴミが少なく、遺伝子の数はヒトに類似しているなど、ヒトの遺伝子を理解するために非常に有用な生き物であることがわかっていました。
実際にゲノムを解読してみたところ、免疫に関する遺伝子にはヒトとの差異があったものの、ボディプランに関する遺伝子はヒトに非常によく似ており、トラフグの遺伝子の解読結果を利用して新たに1000のヒトの遺伝子の機能がはっけんされました。
ヒトと魚の遺伝子は4億5千万年前の共通の祖先から受け継がれたものです。 | | |
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2002年 08月05日更新 | ■友達になりたい相手の鳴き声を真似る
インコやオウムは模倣能力を使って、友達作りをすることが判明しました。つまり友達になりたい相手の鳴き声を真似るのです。今回研究されたメキシコインコが集まると、一部のインコは「チー」という特殊な鳴き声を発します。「チー」という鳴き声は、個体間で少しずつ異なっています。他のインコの鳴き声を真似ることは、「一緒に会おうよ」と言っているように思われました。模倣は、インコで混み合った低木で連絡をとる効果的な方法となっているようです。研究者らが、インコのいるところで「チー」という鳴き声の録音を拡声器で流したところ、興味を示したインコが集まってきて、インコたちは、自分たちの鳴き声を変えて、拡声器から流れる鳴き声を真似たとのことです。
■乳酸菌で虫歯予防
虫歯の原因が細菌であることは知られていますが、細菌を使って虫歯を予防できるらしいことがわかりました。ヨーグルトに含まれる細菌を遺伝子操作して、虫歯の原因となる細菌を退治させることに成功したのです。この遺伝子組換え細菌を染み込ませた綿棒でラットの口の中に細菌を塗りつけたところ、虫歯の数が通常よりも少なくなった。これに類似した細菌を食物に混ぜて与えたり、そのまま与えたりすれば、口や腸内の他の微生物も退治できるかもしれません。 | | |
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2002年 07月29日更新 | ▼人類の祖先の最古の化石
アフリカのチャド北部の砂丘で600万年前から700万年前の猿人とみられる頭がい骨が発見されました。今から数十年前の人類の進化に関する知識では、人類の進化ははしごをのぼるように順序良く並んでいるのように思えました。ところが今ではヒト科の化石はさまざまなものが見つかってて、それらが互いにどう関連しているのかや、どれが人類の祖先であるか、そもそも、これまで発見された中に人類の祖先が含まれているのかどうかにさえ議論が今も続いています。
驚いたことに今回発見された化石は、これまでより人に近いと思われていたアウストラロピテクスよりも数百万年も古いにもかかわらず、アウストラロピテクスよりも人の骨格に似ていることがわかりました。
▼コーヒーでナメクジ退治
ナメクジとカタツムリがカフェインをきらうことが発見されました。
1−2%のカフェイン溶液がほとんどすべてのナメクジとカタツムリを2日以内に殺してしまい、0.01%程度の濃度だと、エサとなる植物から逃げていくことが確認されました。カフェインは、インスタントコーヒーには約0.05%含まれ、豆からいれたコーヒーより多く含まれています。 | | |
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2002年 07月22日更新 | ▼人間は自分に似た人が好き
お金を二人で分けるゲームを被験者に行なったところ、相手が自分の顔に似ているほど、相手を信用してお金の分配を相手に任せる傾向があることが発見されました。このことは、自分の顔によく似た顔の人を無意識のうちに信頼してしまうことを意味しており、これは、血縁関係のあるものとないもの、餌と捕食者を識別する能力が進化した形であると思われます。
▼そろばんの達人は素人とは別の脳の部位を使っている
そろばんの達人と素人に桁数の多い数字を記憶するテストを行なったところ、達人は数字を映像として記憶し、素人は数字を音声として記憶していることがわかりました。
▼臓器の左右は水流できまる
生き物の臓器には右と左がありますが、たった一個の受精卵からどのようにして右側と左側が認識された臓器に分化していくのか、その仕組みはこれまで理解されていませんでした。このたび、受精卵に生えている「毛」が受精卵の周りに意図的に水の流れを起こし、この水の流れる方向が細胞に「右」と「左」を指示していることがわかりました。「毛」が作り出す水流に逆らった水流を人工的に作り出したところ、臓器の左右が逆転することがわかりどうもこの説は真実であるように思われます。ただ、水流が細胞にどのような影響を与えているのかは今後の研究が待たれます。 | | |
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2002年 07月08日更新 | ▼アルデンテを科学的に解明
日清製粉グループはスパゲティが一番おいしいと感じられる茹で方であるアルデンテの麺をMRIを用いて分析し、その水分分布が麺の表面からの分布と直線関係にあることを視覚化することに成功しました。
今回用いられたMRIは人間の体の中にある水分子の水素原子核の振動を使って 放射線を用いるCTのように被爆による負担を受けることなく体の中の様子を立体的に映像化する医療器具です。これをスパゲティの麺に適用することにより茹で方と水分分布の関係が明らかとなり今後の小麦粉製品の開発に生かされるそうです。
▼珊瑚の病気の原因は汚水
世界各地ですの数を減らしている珊瑚ですが、これまでは地球の気候の変化やオニヒトデといった天敵が減少の主な原因と考えられていました。今回カリブ海における珊瑚の減少の原因を突き止めるために、病気になった珊瑚を調べたところ、人の消化器の中に生息している微生物に感染していることが明らかとなりました。この微生物を取り出して健康な珊瑚に付着させたところ健康な産後が病気になることも確認され、珊瑚礁の美しいダイビングスポットにおける衛生設備の充実が自然保護において重要であることが示唆されました。
珊瑚礁はそれ自身の貴重さばかりでなく、多くの小型生物の繁殖・生活の場となっていますので珊瑚礁の減少はその海域の生態系の変質・破壊をもたらします。
▼小惑星が地球に異常接近
今年6月14日、最大直径120メートルもの巨大な小惑星が、地球と月との距離のわずか1/3の地点をニアミスしていたことが、その3日後に明らかになりました。もしこの小惑星が地球に衝突していたら東京都と同じ面積の陸地が完全に破壊されていたと考えられます。 | | |
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