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2007年07月07日更新
Chapter-164 2007年上半期の科学ニュース
地球温暖化の事実と危険が科学者によって明言される
国連の「気候変動に関する政府間パネル」第4次評価報告書において、地球温暖化は人為的なものであることが確認され、二酸化炭素の急増による猛暑、干ばつ、海面上昇、生物多様性の破壊などが警告されました。
東洋初のロボット「學天則」復活計画
大阪市が昭和3年に科学者西村真琴によって大阪で作られた東洋初のロボット「学天則」の復元に着手することを発表しました。その復元工程はロボット研究者を志す若者の教材として活用されます。
40年ぶりの大彗星、マックノート彗星
2007年1月に軌道上の太陽の近くを通過したマックノート大彗星は白昼でも観測できる40年ぶりの大彗星で、太陽を除く全天で最も明るい天体となり、その明るさはハレー彗星のほぼ100倍でした。
ネズミに天然色を見せることに成功
2色型色覚動物のマウスは、認識できる色の種類に制限がありますが、遺伝子操作で3色型色覚が与えられると、天然色を認識するための神経や脳の回路が自然に作成され天然色の視覚を獲得することが発見されました。
力学的力を加える新たな化学反応と保護基を用いない新たな化学反応の相次ぐ発見
これまで知られていなかった2通りの化学反応が相次いで発見され、医薬品や生物由来の天然物の興行的生産などにおいて、環境負荷が少なく、製造コストの低い有用物質生産に応用できそうです。
道具を使って狩猟をするチンパンジーの発見
木の枝を折り、とがった先端を樹木に開いた穴に差し込んで昆虫などを取り出そうとするチンパンジーが初めて発見されました。この行動は人間が道具を使うようになる進化の過程を研究する上で重要な発見です。
宇宙の暗黒物質の分布が見えた
暗黒物質は宇宙空間に目に見える物質よりもはるかに多く存在し、その質量が銀河の形成などに強く影響を及ぼしていることが予想されていましたが、初めて暗黒物質の三次元宇宙地図を作成することに成功しました。
バクテリアのゲノムでのデータの記録再生に成功
英数記号を符号化し、DNA配列に変換した上で微生物の遺伝子の中に組み込んだデータを記録・再生することに成功しました。細胞1個で1メガバイト程度のデータを数百年から数千年も保存できそうです。
独立行政法人理化学研究所が統合失調症、自閉症、変形性関節症に関連する遺伝子を相次いで発見
いずれも複数の遺伝子が関与する複雑な疾患で、メカニズムは謎です。関連する遺伝子が発見されたことによって、メカニズムの解明や効果的な治療方法、個人の遺伝子型別に最適な診断・治療の提供が可能となります。
土星の衛星エンケラドスに生命存在か
エンケラドスの内部に高温高圧の場所がある可能性が発表されました。地球においても同様の環境が生命の誕生に大きな役割を担っていたと考えられていますので、エンケラドスに生命が存在する可能性が高まりました。 ●関連サイト |